ユダヤ人たちの罪の内実は、
私たちとどのような関わりがあるのでしょうか?
ユダヤ人たちの罪の内実について調べて説明するために、
なにもここでわざわざ長い講義をする必要はないだろうに、
と訝しく思う人もいるかもしれません。
自分の抱えている罪だけでも手に余る私たちの生活にとって、
この話題は、疎遠に感じられるものかもしれません。
しかし、新約聖書がキリスト教会のことを、
神様の新しいイスラエル、としばしば呼称していることを、
私たちはここで思い起こさなければなりません。
神様から、
善を行うように、という奨励と、
悪を避けるように、という警告を受けてきた存在として、
イスラエルは、私たちに先立つ具体例である、と言えます。
イスラエルは、
神様の怒りを我が身に招き、多くの懲らしめを受けました。
もしも新しいイスラエルが、
古いイスラエルと同じように、 神様に反抗しようものなら、
神様は、
彼らに対しても決して優しく応接なさることはないだろう、
とパウロは注意を促しています。
古いイスラエルの民(ユダヤ人)の過ちから、
私たちは教訓を学ばなければなりません。
ですから、
「ローマの信徒への手紙」2章は、
正確を期して読解されるべき章なのです。