最後の戦い 20章7~10節(その1)
ヨハネはこの世のエピローグを目にします。
神様が悪魔を解き放たれると、悪魔は最後の攻撃を開始します。
これはおそらく、
すでに16章で語られているのと同じ攻撃を指しているのでしょう
(16章16節)。
ヨハネは、イエス様の再臨直前に勃発する大戦争を見ます。
これは、
この世において史上最悪の戦争を悪魔が引き起こすことに成功する、
という意味かもしれません。
あるいは、
人々を惑わし神様の教会を破壊するために悪魔が
その最後の力を使い果たしてまで行うような戦いを
この描写に見ることもできます。
9節の「聖徒たちの陣営」や「愛されてきた都」への言及も、
この解釈を支持します。
「愛されてきた都」は、
神様の御国とそこに属する者たちを意味しているものでしょう。
これは、
「ヨハネの黙示録」において悪魔の帝国を意味すると思われる
「バビロン」という言葉の対義語です。
8節の「ゴグとマゴグ」は、「エゼキエル書」にも出てきます
(「エゼキエル書」38~39章)。
誰のことをエゼキエルは意味していたのか、確かなことはわかりません。
イスラエルの民をおびやかしていたスキュタイ人のことを、
あるいは指しているのかもしれません。
ユダヤ教では後に、「ゴグとマゴグ」は
「選ばれた民」をおびやかすあらゆる諸国民を意味する言葉
として理解されました。
おそらくそれと同じ意味で、ヨハネもこの言葉を使用しているのでしょう。
すなわち、「ゴグとマゴグ」は、
イエス様の再臨の直前に
キリスト教会を攻撃する悪魔の部下たちをあらわしている、
ということです。