2012年3月28日水曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック 11章3~14節 二人の証人(その3)

  
二人の証人 11314節(その3)
  
 
7節では、深淵から上ってくる獣が
二人の証人に対して戦いを挑んで勝ち、彼らを殺します。
「獣」は悪魔の使いをあらわし、
獣が神様の証人を殺す場所である「都市」は
悪魔の王国をあらわしています。
もしも「二人の証人」が神様の教会を意味しているのであれば、
ヨハネは今、
悪魔が教会を激しく攻撃し、
それに勝利するかのように見える状況の描写に
接していることになります。
キリストの再臨の直前、
イエス様に従う人々のグループは
打ちのめされ敗北したような有様になる、
ということなのでしょう。
ところが、それから奇跡が起こります。
死者が生き返り、教会は死者の中からよみがえり、
光り輝く天国の神様の御許へと召されていきます。
悪魔が戦いに勝ったようには見えても、
その実、最後の言葉を口にするのは神様なのです。
神様は御自分に属する人々に勝利を与え、
それとは逆に、
すでに勝利したかに見える悪魔には敗北を与えられます。  
  
近年、私たちは「ヨハネの黙示録」がここで語っていることを、
ある程度まで実際に体験してきました。
東ヨーロッパの国々では教会が瓦礫と化し、
そこではキリストの教会はもうすぐ死ぬかのように見えました。
ところが、奇跡が起こりました。
悪魔の勝利は見かけだけのものでした。
共産主義は崩壊し、
教会は、それがすでに滅ぼされたと思った場所で、
思いがけなくも成長し始め、また、新たに生まれてきています。
  
10節は、神様の証人が死ぬのを見て人々が喜ぶ様を描いています。
神様の御言葉は人々の心に怒りも生み出します。
人々は、
罪の中で生きているときにその罪について叱られたり、
滅びへ向かって歩んでいるときにそれを注意されたり、
また、イエス様なしでは誰も天国には入れない、
という話をされたりすると、傷つきます。
不義の世に神様の御言葉を語りかけ
人々の心を傷つける者たちが死ぬと、
世は喜びます。
これで邪魔立てなしに不義の生活を送れると、
世は思い込んでいるわけです。