2012年3月23日金曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック 11章3~14節 二人の証人(その1)

  
二人の証人 11314節(その1)

ヨハネは声が二人の証人について話すのを聴きます。
「ゼカリヤ書」には、これと関係する箇所があります(「ゼカリヤ書」4章)。
これらの証人は誰なのでしょうか。
彼らは、終わりの時に神様の御言葉を宣べ伝え、
人々を悔い改めへと招く神様の僕なのかもしれません。
一方で、この幻はいつか未来の出来事を描いているのではなく、
すでに起きたことについて語っている、という解釈も提示されています。
それによると、この二人の証人とは、
ローマで神様の御言葉を宣べ伝え、
そこで同じ日に、ネロ帝の迫害によって殺されたペテロとパウロのことだ、
というのです。
この説明によれば、証人たちが生き返ることは、
ペテロやパウロの魂が天国の神様の御許に入ることを意味します。
しかし、これらの証人が
ある特定の二人の証人を指しているものとは限りません。
この章の冒頭にでてくる「神殿」は
キリストの教会を意味していると思われます。
この二人の証人もまた、
この世で実際に活動している神様の教会についての
イメージである可能性もあります。
教会は神様の御言葉、また神様の裁きを宣べ伝えます。
そして、教会には
この世が高く評価するような栄誉も輝きもありません。
それゆえ、証人たちは
荒布を着た神様の僕として描れているわけです。
  
証人の人数は、
「二人の証人の証言は信頼に足る」
とする聖書の教えを指しているものと思われます(「申命記」1915節)。
もしも二人の証人がキリストの教会を描き出しているならば、
この証人の人数は、
福音が信頼できることを、
私たちに思い起こさせていることになります。
つまり、
キリストの教会が宣べ伝えているのは本当のことであり、
それゆえ信じるに値する、ということです。