2011年9月14日水曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック 1章1~3節(その1) 題名

「ヨハネの黙示録」1章
 
 
題名 1章1~3節(その1)

 
「ヨハネの黙示録」という題名は誤解を生みかねません。
黙示を受けたのはイエス様であって、ヨハネではないからです。
この書物のはじめの節に、
復活されたキリストが父なる神様から黙示を受けて、
それを伝えるためにヨハネに天使を遣わした、
と書いてあります。
これを「黙示の連鎖」と名づけることができるでしょう。
罪人である人間は
聖なる神様の直接の語りかけに耐えることができません。
イエス様は人間と神様の間をつなぐ仲介者です。
また、イエス様は「変圧器」のようなお方です。
神様の巨大な力を罪人である人間の許容量に合うように
変えてくださっているからです。
神様がお決めになったこととそれに基づき将来起こることについて
御自分の僕に伝えるために、イエス様は黙示を受けられたのです。
 
「ヨハネの黙示録」の書き手は自分のことを
「イエス様の僕(あるいは奴隷)」と呼んでいます。
パウロも自分を同じ名称で呼んでいます
(「フィリピの信徒への手紙」1章1節)。
このヨハネとはいったい誰なのか、私たちは序章で究明しようとしました。
断言はできませんが、
十二弟子の一人、使徒ヨハネその人であった可能性は大いにあります。
 
「ヨハネの黙示録」は、
ヨハネ自身の考えやこれから世界で起こることに関する想像
が記された書物ではありません。
それは2節からわかります。
ヨハネは神様から書くように言われたことを書き記しました。
それゆえ、彼は神様の御言葉とキリストの証について語るのです。
このことを念頭におくかぎり、
私たちは「ヨハネの黙示録」を正しく読んでいる、と言えます。
この本を通して私たちが取り組んでいるのは、
人間の精神が作り出したものではなく、
神様が私たちに語るべきだと思われたことがらだからです。