2014年2月21日金曜日

「ローマの信徒への手紙」ガイドブック ルターと「ローマの信徒への手紙」


ルターと「ローマの信徒への手紙」


よく知られているように、「ローマの信徒への手紙」は、
マルティン•ルターにとって、特別な愛着のある書物でした。
実にこの手紙こそが、
ルターに純粋な福音の意味を知らせることになったのです。
ルターがこの手紙について講義を行ったのは、
15151516年という、宗教改革が始まる直前の
まさに激動の時期に当たります。
この講義録を読むと、
当時の若きルターがまだ百戦錬磨の強者ではなかったことがわかります。
しかし、一方では、彼の文章からは、
後に世界を震撼させることになる弾薬がすでに見てとれます。

1522年、新約聖書のドイツ語版の序文に、
ルターは「ローマの信徒への手紙」に関する長い説明文を書きました。
それは、彼がこの序文に書いた
聖書の他のすべての書物の説明全部に匹敵する量でした。
彼がこの手紙に対して深い愛着を抱いていたことが、
このことからわかります。
この序文でルターは、
パウロの最も重要なこの手紙を、以前にも増して高く評価し、
読者に紹介することができています。
まさにこの手紙を通して、彼は福音の核心を解き明かしています。
以下のルターの文章は、
キリスト信仰者なら誰もが復唱する価値のあるものです、
「この手紙は、新約聖書の正統な主要書物であり、
抜きん出て純粋な福音です。
ですから、キリスト信仰者はこの手紙を、
一語一句暗記するだけではなく、
自己の魂の日々の糧として用いるべきです。
あまりも過剰に、あるいは、あまりにも上手に、
この手紙を読み研究し尽くすのは不可能です。
この手紙は、活用すればするほど、
それに応じて深い味わいを帯びてくる書物だからです」。


このルターの文章が書かれてから約500年が経ちました。
ルターは、それまで人々から隠されていた純粋な福音を発見し、
飢え渇く魂の持ち主たちに宣べ伝えました。
ですから、私たちは彼から多くを学ばなければなりません。
私たちには、
使徒パウロを通して神様が賜ったこの手紙の御言葉を学ぶとき、
ルターの説明に再度目を通す理由が大いにあります。