2013年8月16日金曜日

「ヨハネによる福音書」ガイドブック 13章31~38節 十字架へと続く道


  
十字架へと続く道 133138
  
 
ユダがなすべきことを実行するために出て行ってしまうと、
イエス様はもはや後戻りができなくなりました。
目前に迫っているのは受難の道であり、
その終点には十字架があります。
この苦しみの道で、
御子は御父の栄光で輝き、その光を周囲に示します。
そしてその輝きを、
イエス様の 愛情あふれる温かい言葉によって、
御自分に属する者たちに伝えてくださいます。
イエス様は弟子たちに、
「子たちよ」(ギリシア語で「テクニア」)、
と呼びかけられます。
これは小さな子どもに対して用いられる言葉で、
新約聖書では
「ヨハネの第一の手紙」211228節のみにあらわれる表現です。
それは、
イエス様が御自分に属する者たちに、
その所属のしるしとして与えてくださる
「神様の愛」を反映しています。

イエス様は、
これから赴かれる道を目の前にはっきりと見据えておられます。
ペテロの置かれた状況は、
それとはまったく異なっていました。
彼はこれから起ころうとしていることを知らず、
イエス様の歩まれようとしている道のことも知らず、
自分自身がどうなるかということさえ知りませんでした。
このように、神様の御子は、
御父から託された使命を実現なさるときには、
人間の助けなどは借りずに、
まったく一人でそれを行われるのです。