2013年8月12日月曜日

「ヨハネによる福音書」ガイドブック 13章21~30節 裏切り者の冷や汗(その1)



裏切り者の冷や汗 132130節(その1)

  
イエス様が裏切りについて話を続けられるときに、
ユダは他の人には想像もつかないような
すさまじい恐怖におそわれたことでしょう。
そして、故意に謎めいているともとれる出来事が次に起きます。

ペテロに促されて、
イエス様のすぐそばで食事をしていたある弟子が
(おそらくは囁くような小さな声で)
イエス様に裏切り者の名をたずねます。
イエス様は、聞いている者たちがわかるようにはお答えにならず、
前項で触れた「詩篇」41篇の内容を告げて実行されます。
自分がパンを与える人物こそが裏切り者である、と。
こう言われるとすぐ、イエス様はユダヤ人の習慣に従って、
ユダにきわめて親密な友好関係を示されました。
すなわち、イエス様はパンをソースに浸してユダに差し出されたのです。

イエス様から最も親密な友情を示されたユダは、
ついにもはや戻ることができない境界線を越えて行くほかなくなります。
サタンがユダを永久に史実に記憶されることになる仕事へと誘惑します。
弟子たちはユダの突然の出立の意味をつかみあぐね、
金銭を管理していたユダが
食事の準備の仕上げのために最後の買い物に行ったとか、
過越しの祭の慣習に従って貧しい人々に施しをするために出かけたのだ、
と思い込みます。
ここにも、
イエス様の最後の食事が過越しの食事であったことがみてとれるでしょう。