2012年2月27日月曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック 9章1~12節 第五のラッパ(その1)

  
「ヨハネの黙示録」9
  

第五のラッパ 9112節(その1)
   
  
第五の天使がラッパを吹きます。
ヨハネは天から地に落ちた星を見ます。
これは悪魔そのものを指していると思われます。
「イザヤ書」には、空から落ちた「明けの明星」が出てきます(1412節)。
これはバビロンの王だけではなく、
手下たちと共に下に投げ落とされた悪魔自体を意味している、
と古くから考えられてきました。
それからヨハネは、神様の敵に「深淵の鍵」が与えられるのを見ます。
「与えられた」という受動態は、「神様の働き」を示しています。
すなわち、神様が悪魔にその鍵をお与えになったことを意味しています。
「神様の悪魔」という表現を用いたルターは正しかったのです。
結局のところ、悪魔は自分の権力を持ってはいないからです。
悪魔は、神様が定められた限度内で活動します。
神様は全能です。
それゆえ悪魔の活動も、
神様が実現を許されることと妨げられることとに、
左右されています。
  
聖書は世界を象徴的に三つの層に分けています。
上には天国と神様の御住い、
地上には生きている人間たち、
地下の深淵には悪の巣窟と神様の敵の王国があります。
天から落ちた星は、深淵を開いて、
悪の諸力を外部に開放してしまいます。
太陽の光を覆う煙とイナゴとは、
地上で悪が猛威を振るう様子を描いています。
4節は、
悪魔の活動には神様のお定めになった限界があることを、
再び示しています。
すなわち、神様は御自分に属する人々を悪魔のこの攻撃から守られます。
悪魔は今、
「印を受けている人々」、すなわち「神様のもの」である人々に
触れることが許されていません。