2009年3月12日木曜日

マルコによる福音書について 9章38~40節

見知らぬエクソシスト 9章38~40節

イエス様の御名によって悪霊を追い出している見知らぬ男があらわれ、弟子たちの間には困惑が広がりました。弟子たちは彼の活動をやめさせようとしましたが、イエス様は彼がしたいようにさせておきなさいと言われました。イエス様の御名によって奇跡を起こす者が、すぐにイエス様の悪口を言ったりはしないものです。人々を弟子たちの仲間に入れるのが大切なのであって、彼らを「お前たちは弟子ではない」と外に追い出すべきではないのです。イエス様に反対しない人は、イエス様の味方です。このイエス様の御言葉は、おそらく後の教会の状況の中で実際にくりかえされたことでもあるでしょう。クリスチャンが周囲の怒りの対象となり迫害される中で、迫害する側にも迫害される側にもつかない人たちがいました。彼らに対して次のどちらの御言葉を適用するべきなのでしょうか。「私たちに敵対しない者たちは私たちの味方です」でしょうか。それとも、「私の側ではない者は私に敵対しており、私と共に集めない者は散らしているのです」(マタイによる福音書12章30節)でしょうか。ここでイエス様は、キリストに属する者たちに同情する人は、たとえその人が沈黙を守る少数派に属していたとしても、報酬を受けないでいることはないことを、私たちに思い出させてくださいます。それゆえ、イエス様に属する者は、あまりにも厳しい基準を設けて「弟子とそうではない人」とを性急に分け隔ててはいけません。そうした境界を引くのは、神様おひとりのみわざに属することがらですから。