イエスとは何者か? 7章25~36節
イエス様の時代のユダヤ教では
「メシア」はさまざまな憶測を呼ぶ対象でもあり、
また一般の人々の信仰の対象でもありました。
旧約聖書には含まれていないユダヤ教文献には、
メシアは自分の時が来るまでは隠れている、
とする見方もありました。
この見方からすると、
どこで生まれたか皆に知られていたイエス様がメシアであるはずがない、
という結論になりそうです。
ところが、実はユダヤ人たちは、
イエス様が誰でありどこから来たか、
まったく知りませんでした。
より正確に言えば、
実際には彼らはイエス様を普通のユダヤ人の子としては知っていたし、
イエス様はナザレで生まれたと思っていました。
しかし、
イエス様が天から来られたことについては全然知りませんでした。
彼らは天の父なる神様を知らなかったからです。
イエス様の御言葉は、
再びユダヤ人たちにイエス様に対する殺意を起こさせました。
それはまた、
イエス様が御自分の死と天の父なる神様の御許への帰還とを
予告なさることにつながっていきます。
「ヨハネによる福音書」でよくみられるように、
イエス様と話している者たちは、その話の真意をつかみあぐねます。
彼らの態度から伝わってくるのは、
侮蔑や皮肉ではなく、神様の真理に対する完全な盲目さです。