2011年11月7日月曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック 3章1~6節 サルデスの教会への手紙(その1) 

  
ヨハネの黙示録3章
 
   
サルデスの教会への手紙 3章1~6節(その1)

   
  
サルデスは地中海沿岸から約80キロメートル内陸に位置していました。
この都市には輝かしい過去の歴史がありました。
それは紀元前6世紀には巨万の富で有名なクロイソス王の都市であり、
古代リュディア王国の首都でした。
しかし、その後何百年もの歳月が流れ、サルデスは変わり果てました。
都市は落ちぶれ、「ヨハネの黙示録」が書かれた頃には
かつての栄華の面影はもはやすっかり消えうせていました。
サルデスの教会もまた、その都市と同じような状態でした。
教会にはかつて輝かしい過去と良い評判がありました。
しかし、教会の現状は、
都市の人々の風評から想像されるようなものではありませんでした。
つまり、教会は、一見すると活動的でありながら、
その実、半死半生の状態だったのです。
  
1節でイエス様は教会とその牧者を厳しく叱っておられます。
外部の評判がどうあれ、
イエス様はサルデスの教会の真の状態を知っておられました。
人々の目にはそれは模範的な教会に見えましたが、
イエス様の目をごまかすことはできません。
教会生活は、たんなる表面にすぎません。
実際には教会は死んでいました。
あるいは、少なくとも死にかけていました。
なぜサルデスの教会がこんな惨めな状態になったのか、確かなことは言えません。
おそらくそれは異端の教えのせいではなかったでしょう。
もしも異端の教えが教会の死を招いたのだとしたら、
イエス様は間違いなくそれを名指しで指摘なさったでしょうから。
教会をだめにしたのは、道徳的な堕落でもなかったでしょう。
もしも神様の御心を軽んじる態度が教会の死因だったとしたら、
それについて明記されていたことでしょうから。
真実に近いと思われる原因は、教会を覆い尽くした「無関心」でしょう。
もはや教会員たちはイエス様を本気で信仰しなくなり、
その浮ついた態度が教会としての死を招いたのではないでしょうか。
「目を覚ましなさい」、というイエス様の勧告は、このことに関係しています。
教会はあたかも眠り込んでしまったかのようでした。
これは、教会の無関心なだらしなさを示しています。
 
2節でイエス様は、神様の要求を満たしていない教会の行いについて語られます。
これは、サルデスの教会の行いが徹底さを欠いていた、という意味に理解できます。
教会には忍耐力がありませんでした。
教会は天国への道を歩むのを途中で放棄してしまいました。
神様に属する人々がこの世で行う「戦い」はもはや止み、
そのかわりに、無関心がはびこるようになりました。