2009年4月3日金曜日

マルコによる福音書について 10章17~27節

富の危険 10章17~27節

イエス様は数え切れないほどの人たちを教え、きっと何千人もの人たちと個人的に話し合われたことでしょう。聖書は、イエス様がどのようにしてひとりの人を弟子として召されるかについて、何度か語っています。今の箇所でこのような召しを受けることになる男の人が登場します。彼は、人生のもっとも大切な質問に対してイエス様から答えを得ようとしました。イエス様のはじめの答えは基本的な答えでした。しかし、男はそれには満足しませんでした。イエス様の次の答えは彼にとって爆弾のようなものでした。彼はその答えを聞いて、もはやイエス様と話し合う気をなくしてしまいました。イエス様は金持ちの男に、「持ち物を全部売り払って貧しい人たちに分け与え、こうして天に富を積んで、それから私に従いなさい」と命じられたのです。しかし、男には、すべてをイエス様にゆだねて自分の人生のあり方をまったく変えてしまうような信仰はありませんでした。それで、彼はイエス様のみもとを立ち去りました。お金は懐にかかえたまま、その実、ひどく困窮して。今回のイエス様の召しは「うつろな耳」に響いたのでした。この出来事には、富の危険についてのイエス様の深刻な警告が含まれています。金持ちが神様の御国に入るのは、非常に難しい、というか、はっきり言えば、不可能なことなのです。お金が人を縛りつけ、連れ去ってしまいます。弟子たちは天の門の狭さに驚きます。救いはまさしく神様のみわざとしてのみ可能なのであって、人自身の行いによっては無理なのです。