2018年5月7日月曜日

「フィレモンへの手紙」ガイドブック おわりの挨拶 23〜25節

おわりの挨拶 23〜25節

パウロのところにいた皆がそろって、
フィレモンとその家に集まる教会員たちに
この手紙のおわりの挨拶を送っています。
その人々の名前の多くは
「コロサイの信徒への手紙」4章10〜14節にも登場します。
たとえばエパフラスについて言えば、
彼がパウロと同じく投獄中の身であったかどうかについては、
断言はできないものの、
おそらくそうだったのではないかと思われます。
「わたしと共に捕われの身になっているエパフラス」(23節、口語訳)
という表現からは、
エパフラスが囚人パウロにとって親しい信仰の兄弟であり、
「戦友」であった様子が伺えます。


「フィレモンへの手紙」はおわりの祝福の言葉で閉じられます。
パウロはこの手紙の読者全員の上に
イエス様の恵みがあることを祈り願っています。

2018年5月2日水曜日

「フィレモンへの手紙」ガイドブック オネシモの事件 8〜22節(その6)

 オネシモの事件 8〜22節(その6)


フィレモンが多くのキリスト信仰者の心を励ましてきたことを、
パウロは手紙のはじめのところでほめています。
そして、
今度は自分に対してそれと同じことをしてくれるように、
とフィレモンに頼んでいます。
囚人である使徒パウロが今必要としている「励まし」とは、
主人フィレモンが奴隷オネシモを
罰することなく再び受け入れてくれることです。

フィレモンがオネシモに対してどのような態度で接するべきかについては、
パウロは具体的な指示を書いていません。
このことは、
ほかならぬフィレモン自身が最良の方法を決めることができるはずだから、
というパウロの深い信頼の表れでもあります。

パウロは自分がもうすぐ牢獄から解放されると信じています。
「はたしてフィレモンは自分の依頼通りにしてくれたかどうか」
を知るために自ら出向くという意図もパウロにはあったのかもしれません。

もう一つの理由としては、
オネシモがパウロを通して神様からいただいた信仰に
今もちゃんと留まり続けているかどうかを
実際に彼にふたたび会って確認したかった、
ということもあるでしょう。

2018年4月25日水曜日

「フィレモンへの手紙」ガイドブック オネシモの事件 8〜22節(その5)

オネシモの事件 8〜22節(その5)


オネシモにはお金を主人に返還すべき手立てがないことを、
パウロは知っていました。
だからこそ、使徒パウロは
オネシモの負債を彼が肩代わりすることをフィレモンに提案したのです。
といってもこれは、
パウロ自らオネシモの負債全額をフィレモンに支払う、
という意味ではありません。
囚人の身であるパウロにしたところで、
大金を工面するあてなどなかったのですから。

フィレモンはパウロに対してある「負債」がありました。
それは、お金で量るにはあまりにも膨大な負債でした。
かつてパウロはフィレモンに福音を宣べ伝えました。
その福音によってフィレモンは神様の子どもとなり、
天の御国を継ぐ者とされました。

フィレモンが神様からいただいた
信仰の賜物の圧倒的な素晴らしさにくらべれば、
オネシモが掠めたかもしれない金額や、
オネシモのせいで生じた損失などは、
たとえそれがどれほど大きなものであったとしても、
取るに足らないものになります。

フィレモン自身の抱えていた「負債」と
オネシモがフィレモンに対して抱えた負債とを較べてみるように、
とパウロはフィレモンを促します。
そうすることで、フィレモンは
オネシモの負債の件を快く忘れることができるようになると思われるからです。

2018年4月18日水曜日

「フィレモンへの手紙」ガイドブック オネシモの事件 8〜22節(その4)


オネシモの事件 8〜22節(その4)


「しかも、もはや奴隷としてではなく、
奴隷以上のもの、愛する兄弟としてである。
とりわけ、わたしにとってそうであるが、
ましてあなたにとっては、肉においても、主にあっても、
それ以上であろう。」
(「フィレモンへの手紙」16節、口語訳)

この16節は、
オネシモが今やどのような存在になったのかを説明しています。
以前の彼はただの奴隷にすぎませんでした。
しかも悪い奴隷だったのです。
ところが、今や彼はキリストにあって信仰の兄弟になりました。
自分の主人と並んで永遠の命にあずかれる者とされたのです。

「そこで、もしわたしをあなたの信仰の友と思ってくれるなら、
わたし同様に彼を受けいれてほしい。」
(「フィレモンへの手紙」17節、口語訳)


この節でパウロはもう一度フィレモンに対して、
あたかも使徒パウロ自身を受け入れるかのようにして
オネシモのことを受け入れてくれるように懇願しています。

このガイドブックの「はじめに」のところで、
オネシモがフィレモンのもとを去った理由として
考えられうる二つの原因を提示しました。
もしかしたら彼は奴隷の立場から解放されたくて
主人のもとから逃亡したのかもしれません。
あるいは、
彼は何かよくないことをしでかして、
そのせいで主人の前に出る勇気がなくなってしまったのかもしれません。
逃げ出した際にオネシモが逃避行に必要となる金銭を
フィレモンから掠めた可能性も否定できないでしょう。
主人を避けて逃げ回っているのだとしたら、
オネシモはフィレモンに対してかなりの経済的損失を与えた可能性もあります。