2026年9月28日月曜日

「テトスへの手紙」ガイドブック 「テトスへの手紙」1章5〜9節 キリスト教会の指導者(牧師)の持つべき特徴(その1)

 キリスト教会の指導者(牧師)の持つべき特徴(その1)

「テトスへの手紙」1章5〜9節

 

「あなたをクレテにおいてきたのは、

わたしがあなたに命じておいたように、

そこにし残してあることを整理してもらい、

また、町々に長老を立ててもらうためにほかならない。」

(「テトスへの手紙」1章5節、口語訳)

 

パウロはテトスをクレテ(クレタ島)に残しました。

「使徒言行録」には

パウロがクレテで福音を宣べ伝えたという記述はありません。

記されているのは、

カイザリヤからローマに囚人として護送される途中で彼がクレテを訪れた

ということだけです(「使徒言行録」27章7〜12節)。

パウロはローマでの最初の投獄生活から解放された後にクレテを訪れた

とも考えられます。

 

テトスのやるべき仕事は

クレテの諸教会の事柄を整理し

町々の教会に「長老」を立てていくことでした

(「テモテへの第一の手紙」4章14節、

「テモテへの第二の手紙」1章6節も参考になります)。

 

ギリシア語で「長老」(1章5節)は「プレスビュテロス」、

「監督」(1章7節)は「エピスコポス」といい、

西暦一世紀にはどちらの単語も教会の指導者を意味していました。


「長老」が各個教会を指導し

「監督」(英語の「ビショップ」に相当します)が同じ町の中にある各個教会を

一括して指導するという責任分担体制が一般化したのは

西暦二世紀に入ってからです。


「使徒言行録」20章17節および28節は

エフェソにある諸教会の指導者たちを

「長老」とも「監督者」とも呼んでいます

(「ペテロの第一の手紙」5章1〜2節の

「長老」についての記述も参考になります)。

 

パウロは各個教会の指導を信頼できる男たちに委ねては

新しい町々へと旅を続けていきました

(「コリントの信徒への第一の手紙」1章7節

および3章5〜11節および16章10〜12節、

「フィリピの信徒への手紙」2章19節)。

 

クレテからきたユダヤ人たちは

最初の聖霊降臨日(「五旬節の日」)の時には

すでにペテロの説教を聞いていました

(「使徒言行録」2章1、11節)。


しかしクレテにキリスト教会ができたのは

おそらく60年代であったと思われます

(上掲の「テトスへの手紙」1章5節を参照してください)。


クレテの教会の指導者たちが満たすべき諸項目の中には

「信者になって間もないものであってはならない」

(「テモテへの第一の手紙」3章6節)

という項目は含まれていません。


歴史が浅かったクレテの教会には

経験豊富なキリスト信仰者がそもそも存在しなかったのでしょう。

2026年9月4日金曜日

「テトスへの手紙」ガイドブック 「テトスへの手紙」1章1〜4節 はじめのあいさつ(その2)

はじめのあいさつ(その2)

「テトスへの手紙」1章1〜4節


神様は偽りを言われません(1章2節)。
神様の啓示は真理です。
偽りを言うのは人間たち(1章12節)や
悪魔(「ヨハネによる福音書」8章44節)のほうです。

 

この世の始まる前(「永遠の昔」)に

神様は人類を罪の圧制下から救い出すことをお決めになりました

(1章2節、他に

「エフェソの信徒への手紙」3章8〜11節、

「コロサイの信徒への手紙」1章25〜26節、

「テモテへの第二の手紙」1章9節も参照してください)。

 

「神は、定められた時に及んで、

御言を宣教によって明らかにされたが、

わたしは、わたしたちの救主なる神の任命によって、

この宣教をゆだねられたのである。」

(「テトスへの手紙」1章3節、口語訳)

 

神様は「定められた時に及んで」この救いの計画を実現なさいました

(「ガラテアの信徒への手紙」4章4節)。

神様はこの救いを宣べ伝えていく使命を

パウロや他の使徒たちに委ねられたのです

(「テモテへの第一の手紙」2章6節)。

 

パウロは「救い主」(ギリシア語で「ソーテール」)という単語を

新約聖書で12回用いており、

そのうちの半数(6回)は「テトスへの手紙」に登場します。

この手紙でパウロは「神」という単語を

3回(1章3節、2章10節、3章4節)、

「イエス」という単語を3回

(1章4節、2章13節、3章6節)用いています。

 

「信仰を同じうするわたしの真実の子テトスへ。

父なる神とわたしたちの救主キリスト・イエスから、

恵みと平安とが、あなたにあるように。」

(「テトスへの手紙」1章4節、口語訳)

 

前述のようにテトスはパウロの伝道を通してキリスト信仰者となりました。

テトスはパウロの最も近しい同僚の一人でしたが、

新約聖書は彼についてあまり記述していません。