2018年5月2日水曜日

「フィレモンへの手紙」ガイドブック オネシモの事件 8〜22節(その6)

 オネシモの事件 8〜22節(その6)


フィレモンが多くのキリスト信仰者の心を励ましてきたことを、
パウロは手紙のはじめのところでほめています。
そして、
今度は自分に対してそれと同じことをしてくれるように、
とフィレモンに頼んでいます。
囚人である使徒パウロが今必要としている「励まし」とは、
主人フィレモンが奴隷オネシモを
罰することなく再び受け入れてくれることです。

フィレモンがオネシモに対してどのような態度で接するべきかについては、
パウロは具体的な指示を書いていません。
このことは、
ほかならぬフィレモン自身が最良の方法を決めることができるはずだから、
というパウロの深い信頼の表れでもあります。

パウロは自分がもうすぐ牢獄から解放されると信じています。
「はたしてフィレモンは自分の依頼通りにしてくれたかどうか」
を知るために自ら出向くという意図もパウロにはあったのかもしれません。

もう一つの理由としては、
オネシモがパウロを通して神様からいただいた信仰に
今もちゃんと留まり続けているかどうかを
実際に彼にふたたび会って確認したかった、
ということもあるでしょう。