2013年11月13日水曜日

「ヨハネによる福音書」ガイドブック 18章15~18節 イエス様を否認するペテロ


イエス様を否認するペテロ 181518
    
  

「ヨハネによる福音書」は、
弟子たちがイエス様を見捨てて逃げ出したことを記していません。
それはおそらく、
読者がすでにこのことを
他の福音書などを通じて知っていることを想定して
この福音書が書かれているためだ、
と思われます。
ここに登場する「もうひとりの弟子」が、
「イエス様が愛しておられたあの弟子」と
同一人物であるのはまず間違いありません。
この不思議な弟子は、
ペテロには開かれなかった門を通して、中庭に入ることができました。
つまり、ここで語られているイエス様の受苦の出来事は、
その場で一部始終を目撃していた人物による、
きわめて確実な伝承に基づいていることになります。
彼は大祭司の知り合いであり、
一般の人々が知らない裏の事情にも通じていました。
一方では、彼は、
イエス様のすぐ傍らで過越の食事をし、
そこでの一部始終を間近から見ていたのです。
ユダヤの山中の4月の夜は冷え込みます。
門衛に、イエス様を知らない、と言って
今までの自分の信仰を捨てたペテロは、
いくら焚き火で温まろうとしても、ちっとも温まらず、
心は不安でいっぱいでした。