2013年11月27日水曜日

「ヨハネによる福音書」ガイドブック 18章28~38a節 ピラトの尋問(その2)


ピラトの尋問 182838a節(その2)
 
  
ユダヤ人たちの取った作戦は単純で、
当時の歴史的状況から見ても理解できるものです。
ローマ人たちは、
安息日を破ったからという理由で、
人を死刑にする気はまったくありませんでした。
イエス様を目の前から取り除くためには、
「この男はユダヤ人の王になろうとした」、
という罪状によらなければなりません。
(ヘロデ王の)宮殿の庭には、
互いに心底から侮蔑し合っている
二つのグループが立っていました。
ユダヤ人たちはピラトを必要としていましたが、
宮殿の中には入ろうとはしませんでした。
「異邦人の家は汚れている」、というのが、
一般的なユダヤ人の教えだったからです。
異邦人の家の中には、
ユダヤ人を汚すもの(特に偶像の絵など)があっても
おかしくはなかったからです。
ユダヤ人は、そうしたもので汚れると、
ユダヤは再び清くなるまでに、
七日間も隔離される場合もありました。
過越の祭を目前に控えて、
誰もあえてこのようなリスクをとりたくなかったのは
当然だったと言えます。
自分を清く保つことに神経を尖らせていた
「神の民」の代表者たちは、
神様の御子を死刑に処するために、
ピラトを宮殿の外で待ち続けました。
なんともひどい構図です。