淫婦の幻についての天使の説明 17章7~18節(その2)
9節では、淫婦が七つの山に座っているとあり、
18節では、淫婦は地上のあらゆる支配者を統治する都市である、
と言われています。
七つの山についての記述が当てはまるような都市を
地図で探す試みがこれまでなされてきました。
七つの丘の上に建てられたローマが候補として挙げられ、
またモスクワやニューヨークも有力視されました。
しかし、9節は
ある特定の都市を指しているものとして理解されなければならない、
というものではありません。
山は力強さと安定感をあらわしています。
ですから、この節のメッセージは次のように要約できるかもしれません、
「淫婦は悪魔の帝国とその首都をあらわしており、
この帝国は強大で堅固に見える」、と。
「ヨハネの黙示録」は「都市バビロン」について語ります。
それは悪魔の帝国を意味しています。
「淫婦」は、悪の帝国がどのようなものか、よくあらわしています。
そこには、第六戒を地に踏みつけにする態度が、
他のさまざまな不義と密接に連携しつつあらわれます。
悪魔の帝国を「淫婦」と名づけるのは、
そこでは活ける神様を礼拝しないことを想起させます。
もっとも別の「神々」ならその国にもいるかもしれません。
しかし、そこではそれら「神々」が、真の神様を斥けてしまっています。
すでに前に論じたように、聖書では「姦淫を行う」という言葉で、
偶像礼拝を指す場合があるのです。
14節は、強固に見えた悪魔の帝国がどういう結末を迎えることになるか、
明らかにしています。
悪魔は確かにキリストとキリストに属する人々とに対して戦って、
勝利を得るかのように見えます。
「ヨハネの黙示録」が以前に数え切れないほど何度も確証してきたように、
ここでも天使は、イエス様が敵を打ち砕かれることを確証しています。
私たちは今まだ、
イエス様を「王の中の王」として実際に目にしているわけではありませんが、
そうであると信じています。
なぜなら、聖書がそう言っているからです。
この章の終わりは、神様の大きさと悪魔の小ささについて語っています。
獣は「同盟者たち」と共に淫婦に怒り、滅ぼします。
つまり、獣は悪魔に仕える者でありながらも、悪魔の帝国を攻撃するのです。
こういうことが起きるのは、神様がそうお決めになったからです。
神様は、御自分の目標のために悪さえも奉仕させるほど、大いなるお方です。
悪魔は、自分の手下が自分とその取り巻きに対して戦うのを見るのは、
さぞかし不満なことでしょう。
しかし、神様の決定されたことを妨げることはできません。
神様は天地のすべての権威を持っておられるからです。
20世紀には、悪魔の二人の僕が互いに争う様が見られました。
すなわち、ヒトラーのドイツとスターリンのソ連とが争い合いました。
その結果は周知の通りです。
ヒトラーの帝国は根絶やしにされました。
赤軍の勝利は、神様が大いなるお方であることを示す一例です。
神様は悪魔の僕たちが互いに争い合うように仕向け、
一方がもう片方を滅ぼすようになさいます。
悪魔の帝国が最終的に打ち砕かれる「終わりの時」にも、
神様はこのようになさるのです。