2012年6月18日月曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック 17章7~18節 淫婦の幻についての天使の説明(その1)


 
淫婦の幻についての天使の説明 17718節(その1)
 
  
幻についての説明が与えられているという点で、
淫婦についての描写は「ヨハネの黙示録」での独特な幻となっています。
実のところ、この説明も幻であり、
それを理解するためにはさらに説明を加えなければなりません。
  
幻の中にあらわれた獣は
「昔はいたが、今はおらず、やがて深淵から上ってくる」、
とヨハネは言います。
何度となくこうしたことは繰り返されてきました。
「ヨハネの黙示録」に描かれている獣のように活動した
国家、思想、あるいは支配者は倒れました。
そして、その度に、
「今はもう大丈夫だ」と思われました。
ところが、獣が倒れてからまだそれほど日もたたぬうちに、
おそらく前とはちがう装いで、
しかし同じ目標をもって、
獣は再び頭をもたげ、戦いを始めました。
何度となく悪魔はキリストの教会を滅ぼそうとしてきました。
この目的のために悪魔は、
何度倒されてもまた起き上がってくる獣を使います。
  
13章の説明で言ったように、
「ヨハネの黙示録」において獣は、
特に反キリストをあらわしています。
おそらく天使たちのメッセージは、
かつて活動した獣と反キリストが非常によく似ていることを、
伝えているのでしょう。
  
912節に書いてあることは、聖書釈義者たちの興味を惹きました。
ここで「ヨハネの黙示録」が語っている内容に対応する
支配者の一群を捜し求めて、発見したと自負する人は大勢います。
例えば、八人の王は、
八人のローマ皇帝か、あるいは、八人の不義の法王を指している、
と考える人々がいました。
これらの解決案は、
天使の説明と完全には合致しないという点で問題を抱えています。
「ヨハネの黙示録」が、
かつていたか、あるいはこれからあらわれるであろう
「八人の支配者」のことを描いている、という考えを
私たちは完全に否定するものではありません。
私自身は、
ここでも象徴的なことが語られている、という説明のほうが
より真実に近いと思っています。
「七人の王」や「獣」や「十人の王」は、
「新しい支配者、新しい思想、また新しい国家が次々に登場し、
悪魔に仕えて、獣の目印を満たす」、という意味でしょう。
第八の、すなわち最後の王は、特に「獣」と名づけられています。
おそらくこれもまた反キリストを指しています。
この王は、最悪の形で獣の目印を満たし、
多くの支配者を味方につけ、
イエス様の再臨の前にあらわれる最後の獣です。