2012年12月17日月曜日

「ヨハネによる福音書」ガイドブック 「ヨハネによる福音書」と十字架の神学


 
「ヨハネによる福音書」と十字架の神学
  
 
「マルコによる福音書」およびパウロの手紙にとって典型的な神学は、
「十字架の神学」と呼ばれるものです。
これによれば、
神様はこの世ではその栄光を秘密のままにして、
その力を弱さの中にお隠しになっている、
ということになります。
イエス様御自身が
栄光ではなく死へと向かって歩まれたことに、
このことがよりはっきりと示されています。
「ヨハネによる福音書」では、
「十字架の神学」が
壮大な「栄光の神学」に不思議なかたちで結びついています。
「地上から挙げられるべき」方であるイエス様は
皆をその御許へと引き寄せます。
これはふたつのやり方で行われます。
第一に、
イエス様は地上から1メートルほどの高さに引き上げられ、
十字架につけられ、皆の侮辱とあざ笑いの的となります。
第二に、
イエス様は遥か高みにある神様の光輝へと挙げられます。
元々イエス様はそこから来られたのであり、
またそこへと皆を引き寄せてくださるのです。
このようにして、暗い夜が輝きに、高挙が降下に、
結び付いていることになります。
そしてすべては、罪深い世を救うためになされたのです。