2012年12月5日水曜日

「ヨハネによる福音書」ガイドブック 3章 「ヨハネによる福音書」とサクラメント(聖礼典)



人々を救われる神様

「ヨハネによる福音書」3


「ヨハネによる福音書」とサクラメント(聖礼典)

「ヨハネによる福音書」3章では難問を取り扱わなければなりません。
ほかの三つの福音書とは異なり、
この福音書はサクラメント(聖礼典)について
直接には一度も言及していません。
洗礼の設定辞も出てこないし、
驚くべきことに
聖餐式の設定についてもまったく記述がありません。
しかし一方では、
イエス様が3章で洗礼について語っておられますし、
6章の内容を聖餐に結びつけずに理解するのは不可能です。
なぜ「ヨハネによる福音書」では、
サクラメントに関わる事柄について
このように間接的な説明の仕方がなされているのでしょうか。
  
この問題も、前の場合と同じようにして説明できます。
個性的な記述スタイルや芸術的とも言える表現は
「ヨハネによる福音書」に典型的なものです。
この福音書は、
サクラメントがすでに読者にとって既知であることを前提としており、
他の福音書や初期教会の教師たちが教えてきたことを、
すべて踏まえた上で書かれているのです。