2011年12月9日金曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック 5章5~14節 ほふられた小羊(その4)

   
ほふられた小羊 5章5~14節(その4)
  
  
天国の礼拝と小羊の讃美には実に多くの天使が参加しています。
その数の莫大さは、ヨハネが無数の天使を見たことを物語っています。
ヨハネが遥か遠くに眼を向けると、そこにもたくさんの天使がいました。
天国の他の住人たちと同様に、天使は小羊に讃美を捧げます。
小羊は感謝と栄光を受けるのにふさわしい方です。
  
小羊を讃美する者の群れはさらに増えていきます。
天国と地上と地下と海中の被造物一同がイエス様に感謝を捧げます。
これは、今すべての人がイエス様にひれ伏す、という意味ではありません。
このことは、ヨハネの時代に実現しなかったし、今もまだ実現していません。
ここで、パウロがこの箇所を理解する助けを与えてくれるでしょう。
「ローマの信徒への手紙」で彼は、
被造物世界がキリストの再臨の時を待ち望んでいる、
と書いています。
なぜなら、その時は、
被造物世界が罪の堕落によって世に持ち込まれた悪から解放される時からです
(「ローマの信徒への手紙」81923節)。
「ローマの信徒への手紙」にある「被造物世界」という言葉は、
わかりやすく言うと、ほぼ「自然」に相当するものです。
もしも被造物世界がキリストの再臨を待ち望んでいるのだとしたら、
それはキリストに感謝を捧げることができます。
なぜなら、万物はキリストを通して創造されたからです。
13節の、もうひとつの可能な解釈は次のようなものです。
ヨハネの視線は遥か未来に向かいます。
そして、イエス様が栄光の王として地上に戻って来られる日を見ます。
その時には、例外なく皆がイエス様を王として認め、
イエス様に栄光を帰することになります。
パウロは「フィリピの信徒への手紙」で
まさにこのことについて次のように書いています、
「それは、イエス様の御名によって、
天上、地上、地下の万物がひざをかがめ、
あらゆる舌(つまり、言葉を有する存在)が
「イエス・キリストは主である」と告白して、
栄光を父なる神様に帰するためです」(21011節)。