2010年12月3日金曜日

「コリントの信徒への第一の手紙」5章 導入部 

無きに等しい自慢の種

「コリントの信徒への第一の手紙」5章

パウロは最初の4章分をコリントの教会のもめごとの調停に費やしました。
彼がこのようにしたのには理由があったことを私たちは見てきました。
コリントの教会の一番の難問は、そこではパウロの権威が認められてはいなかった、という点でした。
こうした状況の中で、教会の問題点をすぐさま取り上げて、教会の指導者として意見を声高に述べるほど、パウロはナイーヴではありません。
まずはじめにAとBのことについて話すべきで、ようやくその後でCについて話すことができるわけです。
それゆえパウロは、「コリントの信徒たちは、あらゆる諍いの現実を超えて、教会の設立者である彼の言うことに従わなければならない」、ということを示そうと苦心しています。
このことをはっきりさせた上で、パウロは教会の他の諸問題に話題を移します。
今や彼は歯にもの着せぬ言葉遣いで全力を投入しています。
最初のテーマはコリントの信徒たちの性的関係に関する罪過です。