2008年10月27日月曜日

マルコによる福音書について 3章22~35節

何の権威によって? 悪魔の親玉の権威によって? 3章22~30節

これまでにも私たちは何度もイエス様の権威についての質問に出会ってきました。エルサレムからやってきた律法学者たちはある答えをひねり出しました。「イエスは悪魔の親玉ベルゼブルの与えた権威によって活動している。」というものです。「もしも大物の悪魔が権威を与えたのなら、その力によって小物の悪魔が退いたとしても、何の不思議もあるまい。」というわけです。
イエス様はこのような「答え」が的外れであることを速やかにかつ徹底的に示されます。「悪魔は自分の仲間の働きを邪魔したりはしないものです。もしもサタンが自分の仲間を迫害しはじめたのだとしたら、本当に奇妙な状況になるしょう。そうではないのです。悪魔を追い出しているのはサタンなどではなく、サタンに反対する力なのです。それでは、この「力」は何でしょうか?少なくともそれはサタンよりも強い力です。頼りなく弱い何者かが、それよりも強い人をやっつけて何かを奪い去っていくような真似はできません。サタンの支配権は崩れつつあり、それはサタンよりも強いお方が働きはじめている証拠なのです。」

イエス様の権威についての問題は、次のように再び書き換えることができます。
「もしもイエス様に権威を与えた者がサタンではなく、サタンよりも強い存在だったとしたら、それはいったい誰なのでしょうか?」
イエス様は典型的なユダヤ人であり、御自分の質問にはお答えにはなりません。しかし、正しい答えはもちろんひとつだけです。
「イエス様の中では、御自分の権威によってサタンを追い払われる全能の神様が働かれているのです。」

間違った教えを与えたエルサレムから来た律法学者たちに対して、イエス様は非常に厳しい御言葉を向けられました。彼らは神様の御霊とその力を確かに感じていたにもかかわらず、戦略的な理由からイエス様を拒絶し、イエス様と共に働いておられる神様の御霊もを否定したのです。神様の働きを拒絶する者は、聖霊様を侮蔑しており、もはや罪を赦されることはありません。イエス様のここでの警告は、何か不注意な言葉遣いに対してではなく、「イエス様を拒絶すること」について向けられています。
聖霊様に対する罪とは「不信仰」にほかなりません。


イエス様の真の身内の者たち 3章31~35節

イエス様とその身内の者たちについての描写がつづきます。興味深いことに、イエス様の父親はでてきません。しかし、母親と弟たちや妹たちはイエス様に対してある種の義務感から、イエス様のおられた家の外で立ち、イエス様と共に話し合う機会を待っていました。イエス様の権威を認めていなかった彼らは、「イエス様は気が狂った」と思ったのです。イエス様は身内の者たちと話すために外に出てきたりはなさいませんでした。そのかわり、イエス様は周りにいる人たちに対してこう言われました。
「神様の御心を行う者たちは、神様の弟たちであり妹たちでありまた母たちなのです。」
この世で生きておられたときにイエス様は、親戚や家族による保護もなく、ひとりぼっちでした。誰からもイエス様は、御自分の使命をまっとうされるための支えを受けることはなかったのです。