2012年4月11日水曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック 12章1~6節 女と竜

  
ヨハネの黙示録12
  
女と竜 1216
    
 
ヨハネは子を宿している女の人を見ます。
それは誰のことでしょうか。
ここでもそれは、「神様の民」、すなわち、
この世で生活している「神様に属する人々」を指しているものと思われます。
これまでの箇所には、「神殿」や「二人の証人」が出てきました。
おそらくこれらもまた、
地上で(信仰を守る)戦いを続けているキリストの教会
についてのイメージなのだろうと思われます。
それでは、ヨハネに示された「竜」とは誰でしょうか。
9節では、この竜は
「神様に属する人々」と戦い続ける悪魔である、と言われています。
竜は緋色で、七つの頭と十個の角をもっています。
前に述べたように、「ヨハネの黙示録」では「角」は力をあらわしています。
つまり、悪魔には力がたくさんある、ということです。
竜の十個の角は、そのことを想起させます。
  
2節と5節で、おそらくヨハネは、
神様の教会の一員、イエス様の母親である処女マリアを一瞬目にしています。
彼女は男の子を生みました。
この子こそが、イエス様、王の中の王です。
4節には、悪魔の使いとしてヘロデ大王が描かれています。
生まれたメシアを殺すために、
ヘロデはベツレヘム近郊の2歳以下の男の子を皆殺しにしました
(「マタイによる福音書」21618節)。
すでにその時点で、悪魔は
神様と「神様に属する人々」とに対して戦争を仕掛けていた、ということです。
聖家族は、ヨセフを長として荒野を越えてエジプトに逃げ、
ヘロデが死ぬまでそこに留まりました。
6節はこの旅について語っているのでしょう。
神様は御子とその母親とヨセフの面倒を見てくださり、
悪魔に御子を殺させませんでした。
ここで「三年半」という期間は、
悪魔が「神様に属する人々」を特に激しく攻撃する時期をあらわしています
(「ヨハネの黙示録」112節と、その説明を参照してください)。