ユダヤ人の行く末は? 11章25〜36節(その1)
最後にパウロはこの奥義のヴェールを
少しばかり持ち上げて内側の様子を見せます。
それによれば、
終わりの時には福音がユダヤ人に受け入れられるようになるのです。
ユダヤ人に激情(あるいは妬み)を惹き起すよう努力した、
とパウロは言いました(11章13〜14節)。
異邦人に福音が宣べ伝えられる時に、
ユダヤ人はキリストこそが彼らの真の王であると思い至るようになります。
今のところ神様はユダヤ人をかたくななまま放置して、
異邦人が福音を受け入れるようになさいました。
しかし、いつかはユダヤ人も福音を受け入れる時が来ます。
救われる異邦人の数が満たされる時、
「全イスラエル」が救われることになります。
この「全イスラエル」という表現は
ユダヤ人を一人残さず内包するものではなく、
ユダヤの民の大多数を指していることを、
パウロと同時代のユダヤ人の残した文書によって知ることができます。
その特別な時が来ると、
キリストはユダヤ人の、異邦人の、そして全世界の主となられるのです。
この預言が実現するのを私たちは今もなお待ち続けています。