2013年12月9日月曜日

「ヨハネによる福音書」ガイドブック 18章38b節~19章16a節 死刑の宣告を受けるイエス様(その2)



死刑の宣告を受けるイエス様 1838b節~1916a節(その2)


「ヨハネによる福音書」の描き方から、
イエス様を鞭打ち侮辱させたのは、
実はピラトがイエス様を殺さずに
釈放するための方便だったのではないか、
という印象を受けます。
ピラトはイエス様を民の前に連れ出します。
この男はもう誰にとっても危険人物などではない、
ということを示したかったのでしょう。
虐待を受けた王は、
御自分の民からの激しい怒りを一身に浴びます。
そして、ピラトは彼らからイエス様の真の罪状を知らされます。
この男は自分を神の子とした、というのです。
うろたえたピラトはイエス様に、
お前は一体何者か、と尋ねますが、
イエス様はお答えになりません。
窮地に追い込まれたピラトには、
もはやなすすべもありませんでした。
もしも王になろうとする人物を釈放すれば、
ユダヤ人たちから異議申し立てを受けるのに決まっています。
ピラトには、
これ以上職務上の過失を重ねる余裕などはなかったのです。
ユダヤ人たちは、
自分たちのメシア待望をとりあえず脇に置いて、
今まで憎んできたローマ皇帝を
キリストの代わりに受け入れることにします。
こうして、史上最大の誤審が起きたのでした。