教会についての祈り 17章20~26節(その1)
イエス様の祈りの最後の言葉は、
弟子たちだけに向けられたものではありません。
この言葉は、キリストの教会全体に対するものでもあります。
すなわち、歴史全体を通じて、
イエス様の弟子たちが伝えてきた御言葉を信じた人々や、
それをさらに次の世代へと伝えてきた人々全員にも
向けられているのです。
イエス様は、ふたつのことを祈ります。
第一に、イエス様に属する人々が「ひとつ」であるように、
第二に、彼らがいつかはイエス様の御許(すなわち、神様がおられるところ)
にいられるようになることです。
御自分に属する者たちが「ひとつ」であるように、
という主イエス様の祈りは、
「ヨハネによる福音書」が書かれた当時にもあった
心が痛む問題を示唆しています。
すなわち、
ユダヤ人キリスト教徒と異邦人キリスト教徒との間に緊張があり、
様々な異端の分派が教会全体の一致をひどく傷つけていたのです。
しかし、イエス様は、
御自分に属する者が皆ひとつの生命共同体を形成して、
御父と御子が同質であるのと同じように
「ひとつ」となるように、と祈られます。
この世には、
イエス・キリストが御自分の花嫁として用意してくださった
唯一つの教会しかありません。
教会が無数に離散している現実は、
人間が惹き起こしたものであり、
その原因は人間の罪深さにあります。