2011年8月26日金曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック ヨハネとは?

  
ヨハネとは?
  
「ヨハネの黙示録」の書き手はヨハネです(1章1節)。
しかし、彼は誰なのでしょうか。
多くの研究者は「ヨハネによる福音書」と「ヨハネの黙示録」を比較して、言葉遣いがあまりにも相違しているため両者の書き手が同じであるとは到底思えない、という結論を出しました。
そして多くの人は、「ヨハネの黙示録」のヨハネは使徒ヨハネとは別人物だ、と理解しています。
しかしながら、これはまったくありえない話というわけでもないのです。
「ヨハネによる福音書」と「ヨハネの黙示録」との間の違いは、たとえば、ヨハネは「ヨハネの黙示録」をたった一人で上手とはいえないギリシア語を用いて書いたが、「ヨハネによる福音書」を書いたときには、多くの弟子が使徒の執筆を手助けしたので、この書物のギリシア語は(文法的な)ミスのない流暢なものになった、とも説明できます。
このように、「ヨハネによる福音書」と「ヨハネの黙示録」の書き手が同一人物で、しかもそれが使徒ヨハネであった、と考えることも不可能なことではありません。
 
誰が書き手かということは「ヨハネの黙示録」の価値を決定するものではありません。
その人物が使徒ヨハネか、それとも誰か他の人物か、にはかかわりなく、現に「ヨハネの黙示録」は聖書の中に入っています。
神様がこの書物を聖書の中の一冊として入れてくださり、それを御自分の御言葉として承認されたのです。
「ヨハネの黙示録」の中に私たちは神様の御声を聴きます。
神様は私たちに何か言われたいことがあり、その一部をこの書物の中で伝えてくださっています。
それゆえ、書き手にはかかわりなく、「ヨハネの黙示録」は神様の御言葉が有する価値をもっているのです。