3章7節 夫について
妻に夫を敬うように教えたペテロは、
夫のほうでも妻を敬うように奨励しています(3章7節)。
配偶者に対する悪い態度は祈りの生活を妨げるし、
ひいては神様との関係にも悪影響を与えてしまう、
とペテロは注意しています。
男女に別々の指示を与えるペテロのやりかたは、
何であれ「男女差別」に結びつけようとする傾向が強い
現代の私たちには馴染みが薄いものに思われるかもしれません。
しかし、当時においてもペテロの指示の内容は
初期のキリスト教会の教えと同じくらい革命的なものだったことを
ここで強調しておく必要があるでしょう。
男性とまったく等しく女性も神様の恵みに与っている存在であることを、
教会は最初から一貫して教えてきました。
まさしくこの理由から、イエス様はマルタに、
彼女の姉妹マリアがただ台所の給仕係としてだけではなく
御自分の弟子としても男性の弟子たちとまったく等しく尊い存在であることを
教えてくださったのです(「ルカによる福音書」38章42節)。
私たちは自らのキリスト教信仰の本質を問われるのが
自らの家庭においてであることを、ここでとくに強調したいと思います。
私たちが一番身近にいる人たちから見ても
キリスト信仰者にふさわしい生活を送ろうとしているようには見えない場合、
それは他の人々から見ても同じことでしょう。
他の場所では天使のように振る舞っておきながら
自宅では悪魔のような態度をとるのは、
決してあってはいけないことです。