2018年11月9日金曜日

「ペテロの第一の手紙」ガイドブック 2章1〜10節 キリスト信仰者は王族の祭司階級に属しています(その2)

2章1〜10節 キリスト信仰者は王族の祭司階級に属しています(その2)

この手紙の書き手はさらに話を進めます。
キリスト信仰者はたんに「神殿の石」であるにとどまらず、
それと同時に「神殿の祭司」でもあります。
しかも、
これはある特定の教会員たちだけに関わりがあることではなく、
神様の民全員について言われていることがらなのです。

この背景にはイスラエルの民に向けられた神様の語りかけがあります
(「出エジプト記」19章6節)。
この聖句のことはより詳しく研究する必要があります。

「「それで、もしあなたがたが、
まことにわたしの声に聞き従い、
わたしの契約を守るならば、
あなたがたはすべての民にまさって、わたしの宝となるであろう。
全地はわたしの所有だからである。
あなたがたはわたしに対して
祭司の国となり、また聖なる民となるであろう」。
これがあなたのイスラエルの人々に語るべき言葉である」
(「出エジプト記」19章5〜6節、口語訳)。

この語っている内容は、私たちがしっかりと学ぶべき大切な事柄です。
神様はひとつの民、イスラエルを御自分のために選び出されました。
しかし、
この選びによって神様が他のすべての諸国民を見捨てた、
という意味ではありません。

むしろ逆です。

イスラエルは諸国民の間で、
神様の善なる本質をすべての人に伝えていく
「祭司」としての役割を担うようになった、ということです。

このことは、
神様がアブラハムをお選びになった際に
「アブラハムを通してすべての諸国民が祝福を受けるようになる」
と告げてくださった出来事と内容的に共通するものです。

神様がひとつの民を選ばれたことは、
他の諸国民の犠牲による選択なのではなく、
むしろ、それら諸国民のためになる選択なのです。