2章11〜22節 この世におけるキリスト信仰者
ペテロは奨励の言葉を続けます。
この箇所のはじめの二節は一般的なことがらを扱っており、
なぜ皆にとってこのような奨励が重要なのか、
その主な理由を説明しています。
それは、
キリスト信仰者はこの世に出自をもつものではないため、
この世では常に不可避的に「寄留民」として過ごさなければならない、
ということです。
この視点の背景に、
神様の民が寄留民として荒野を歩み続けなければならなかった
イスラエルの過去の歴史があるのは確実です。
約束の地への旅の途上にある彼らに対して、
神様は固定された家屋を建てることを許可なさいませんでした。
神様が御民を「約束の地」に導き入れてくださるまで、
彼らは天幕で生活しなければならなかったのです。
それと同じように、
私たちキリスト信仰者も旅の途上にあります。
私たちは二つの世界の国民なのであり、
永遠の故郷へと向けて旅を続けています。
この旅において私たちは、
この世やこの世が提供する物事を貴重な唯一の宝物だと思い込んでいる
大勢の人々と絶えず衝突を繰り返していくことになります。
この点で、私たちは自らを常に検証し続ける必要に迫られます。
はたして私たちは自分がこの世に出自をもつ者ではないことを、
どれだけ意識して生活を送ってきたでしょうか。
それとも、
私たちはいつか神様の御前で自分のことを恥じることになるのでしょうか。