2018年5月28日月曜日

「ペテロの第一の手紙」ガイドブック 「ペテロの第一の手紙」を読む前に

「ペテロの第一の手紙」ガイドブック

フィンランド語版著者 エルッキ・コスケンニエミ
(フィンランド・ルーテル福音協会牧師、神学博士)
日本語版翻訳・編集者 高木賢
(フィンランド・ルーテル福音協会、神学修士)

聖書の引用は原則として、口語訳によっています。
翻訳者の判断により、
この日本語版ではフィンランド語原著に多少の補足・変更等が加えられています。


「ペテロの第一の手紙」を読む前に

「ペテロの第一の手紙」は回覧されるのを前提として書かれた手紙です。
新約聖書に含まれている手紙の多くは、
ある特定の地方教会に宛てられた手紙でしたが、
このペテロの手紙は
キリスト信仰者の小さな幾つものグループに宛てられたものでした。
手紙を受けとった人々は小アジアに住んでいました。
小アジアはおおむね現在のトルコの地域に相当します。
彼らは当時の激動の状況下で生活し、様々な困難に遭遇しました。
この手紙は
読者を助言し、勇気付け、慰めるために書かれた公開書簡なのです。


「ペテロの第一の手紙」は、
新約聖書の一般的な読者があまり注目する機会のない手紙です。
しかし、その内容は
皆の賛嘆を受けるのにふさわしい貴重な宝石そのものであるといえます。
この手紙からは愛と平和が伝わってきます。
また、
この手紙は激しい迫害の最中に書き留められたことが知られています。
まさにそれゆえに、
この手紙に満ちている愛と平和の雰囲気は
いっそうかけがいのないものに感じられるのです。