2017年4月13日木曜日

イエス様の十字架刑(上)

イエス様の十字架の死と復活を記念するイースター(今年は4月16日)
を覚えて、「イエス様の十字架刑」についての説明を
これから2回にわたり掲載します。

イエス様の十字架刑(上)

著者 エルッキ・コスケンニエミ
(フィンランド・ルーテル福音協会牧師、神学博士)
日本語版翻訳・編集者 高木賢
(フィンランド・ルーテル福音協会、神学修士)

イエス様の十字架刑には、周到な精神的かつ肉体的虐待が用意されていました。
茨の冠は、イエス様の頭を血だらけに引き裂いていました。
退屈な一日を紛らわすために、ローマ軍の兵士たちは、
本来なら人を打ちたたいて懲らしめるために用いられるはずの棒を
「王笏」に見立ててイエス様に持たせ、
赤い道化の王のマントを身にまとわせて、
イエス様を「ユダヤ人の王」に仕立て上げてからかいました。
こうすることで、
彼らは普段から侮蔑していたユダヤ人たちに対して
さらなる嫌がらせもしたのです。
この皮肉な態度は、
ピラトが書かせたイエス様の死刑の罪状書き
(「ナザレ人イエス、ユダヤ人の王」)からも伺えます。
当然のことながら、
「王」は真ん中の十字架に付けられ、
「王の臣下たち」
(イエス様と共に十字架につけられた二人の強盗たちのこと)は
その両脇にはりつけになりました。


真昼になり、
のどの渇きに苦しんでいる人に「飲み物」として差し出されたのは、
すっかり酸っぱくなったぶどう酒でした。
前夜、イエス様は異常なほど厳しく鞭打たれていました。
おそらくまさにそのせいで、
すでにたくさんの血を失っていたイエス様は、
精神的な苦しみとあいまって十字架上で力を失い、
驚くほど早く死なれたのです。
そのため、
受刑者の死を早めるために脛骨を打ち砕く作業を、
イエス様に対して行う必要はありませんでした。
というのは、
死んで不自然に捻じ曲がったイエス様の身体は、
専門家だけではなく一般の人が見ても、
イエス様がすでに絶命していたことを告知していたからです。

何の気なしに兵士がイエス様のわき腹を槍でつついたとき、
そこからは水と血が流れ出ました。
現代の医学によると、
死んだばかりの人のわき腹からは水と血が湧き出ることがありうるそうです。

ローマの処刑者たちは、
「イエスは死んだのではなく、実は気を失っていただけだ」
と主張する者たち(そういう人たちが今もいます)に対して、
まともに取り合ったりはしないことでしょう。

彼らは十字架上で死んだひとりの男を目にしました。
「ユダヤ人の王」として通報された者が、
絵画などに見られる芸術的な美の世界とはかけ離れた
酷い苦しみの最期を遂げたのです。

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