互いに配慮し合うようになること 14章13〜23節(その4)
パウロの実践例
キリスト信仰者の自由を強調しつつも、
その一方では、
他のキリスト信仰者たちの益を考えて
自分のもつ自由を行使しないことの大切さについて、
パウロはいろいろな手紙の中で書いています。
彼は、
ユダヤ人に接する時には自分もまた律法の下にいるかのように振る舞い、
異邦人に接する時には自分も律法の下にいないかのように振る舞おうとしました
(「コリントの信徒への第一の手紙」9章19〜23節)。
もしもある食べ物が他のキリスト信仰者を憤らせる場合には、
たとえその食べ物は汚れていないとわかっていても、
彼はそれを食べるのをやめました
(「コリントの信徒への第一の手紙」8章13節)。
彼がそうしたのは、ひとえに愛と福音のゆえでした。
パウロにとって食べ物や様々な習慣は副次的なものだったからです。
一番大切なのは、
キリストとその偉大さがいつでもどこでも皆の前にはっきり示されることでした。
キリストはその血によって、
私たちのことも「御自分のもの」として買い取ってくださり、
私たちの罪を帳消しにしてくださいました。
ですから私たちは今、自分のためではなく、キリストのために生きるのです。
それゆえに私たちは、
隣り人とその抱えている困難とに対して細やかに配慮して行くべきなのです。