この箇所では、
当時のキリスト信仰者の一部が肉食を拒否した事実上の理由であった
と思われる二つの事情をこれから述べることにしましょう。
肉食を拒否した彼らは肉屋で売られている肉を食べませんでした。
その肉はモーセの律法の規定に基づいて屠殺されたものではなかったからです
(「レビ記」17章10〜17節)。
パウロはこのような人々についてここで語っていると思われます。
このような肉を食べないことを正当化する
よりもっともらしく聞こえる根拠をもちだす人々もいました。
その根拠とは、
当時肉屋で売られていた肉の大部分は
異教の神々にいけにえとして捧げられた動物の肉だった、
ということです。
「このような肉を食べて偶像礼拝に加担することが、
キリスト信仰者にどうしてできようか」
と考えた人々のこともパウロの脳裏に浮かんでいたかもしれません。