2016年6月10日金曜日

「ローマの信徒への手紙」ガイドブック 14章 「弱い」教会員とは誰か?(その3)

「弱い」教会員とは誰か?(その3)


偶像に捧げられた肉を食べることについて、
パウロ自身は最終的には非常に慎重な態度を取りました。
しかし、ここでの彼はそうせずに、
自分を「強い」キリスト信仰者の一人とみなしています。
にもかかわらず、彼は
自分と同じようには自由に振る舞えない人々のことを理解しようとしています。
これらの「弱い」キリスト信仰者たちは
ガラテアの教会の信徒たちとはちがって異端に走ってはいなかった、
とパウロが判断していたことをここで思い起こす必要があります。 

救われるために人はある種の規定を絶対に遵守しなければならない、
とガラテアの教会の信徒たちは考えていました。
救いというものをこのように理解することをパウロは断固として否定しました。
ただキリストの十字架の死のゆえにのみ、人は救われるからです。

それに対して、
この「ローマの信徒への手紙」において
様々な規定にこだわっている一部の教会員たちは、
たしかに自己の立場を頑迷に主張しはするものの、
それらの規定に従うことを救いの条件とはみなしていなかったという点で、
ガラテアの教会の異端の信奉者たちとは異なっていました。


(これから8月なかばまでこのブログは不定期更新となります。)