2016年5月9日月曜日

「ローマの信徒への手紙」ガイドブック 13章8〜14節 キリスト信仰者としての生き方に関する他の一連の指示

キリスト信仰者としての生き方に関する他の一連の指示 13814

公的権力をめぐる問題を扱った後で、パウロは愛のテーマに戻ります。
そして、読者全員に一番大切な戒めを指示します。
それは「自分と同じように隣り人のことも愛しなさい」というものです
(「マタイによる福音書」2239節)。
イエス様と同じような言い方で、パウロはこのことを説明しています。
すなわち、
愛は律法の成就であり、
律法が命じる一切のことは「隣り人を愛しなさい」という戒めに集約される、
ということです。
しかしこれは、
この一つの命令によって他のすべての戒めは意味を失ってしまう、
ということではありません。
そうではなく、
私たちは自らの罪がゴルゴタの十字架によって赦されたことを仰ぎ見るとき、
神様の御旨と設定なさった事柄に従う力をいただける、
という意味なのです。


パウロは荘厳に響き渡る勧めの言葉でこの章を閉じます。
キリスト信仰者は神様の御国に属しています。
キリストの再臨にさいして御国の栄光の中に入れていただける存在なのです。
夜は更け、日の出の時が近づいてきています。
使徒パウロによれば、この夜は
「エジプトでの隷属状態を終わらせる過越しの夜」と捉えることができます。
キリスト信仰者は、
あたかも朝がまだ来ないかのように考えて
夜の酒宴に浸るような真似をするべきではありません。
今すでに心の用意を整えておくべきなのです。
私たちにとって、
それはキリスト信仰者としての自らの生き方を見つめ直すことです。
とりわけ大切なのは、
私たちの罪を帳消しにしてくださったイエス・キリストの中に
救いを求めて避難することです。