2016年2月17日水曜日

「ローマの信徒への手紙」ガイドブック 12章9〜21節 信仰は活動的な愛を生み出します(その4)

信仰は活動的な愛を生み出します 12921節(その4)


パウロは多くの適切な指示を与えるかたわら
「可能な限りキリスト信仰者は皆と平和を保ち仲良く暮らすべきである」
と説明します。
そして
「キリスト信仰者は受けた不当な仕打ちに対して
自分で復讐すべきではないこと」
を繰り返し強調します。

キリスト信仰者が受けていた迫害が
この指示に関連してパウロの念頭にあったのは間違いありません。
当時はまだローマ帝国全域にわたる大規模な迫害は始まっていませんでした。
しかし、
一般の人々のキリスト教に対する憎悪がいつどこで噴出してもおかしくない
緊張した一種即発の状態が続いていました。

このような状況下でもパウロは
キリスト信仰者に平静さを保つよう要請しています
悪に対しては悪をもって報いてはいけません。
私たちはオオカミの群れの只中にあっても、
自分までが吠え猛るオオカミになってはいけないのです。

私たちはいかなる状況においても神様の下される裁きに委ねるべきです。
神様は正義の裁き司であり、裁く権利を保持する唯一の存在です。
「善をもって悪に勝つ」のがキリスト信仰者のやるべきことです。