2015年9月11日金曜日

「ローマの信徒への手紙」ガイドブック 9章1〜5節 福音を拒むユダヤ人

福音を拒むユダヤ人 915


まずパウロはユダヤ人をめぐる問題を提示します。
福音伝道は、異邦人の間では成果を挙げましたが
ユダヤ人の間では順調な広がりを見せませんでした。
パウロにとってこれは辛いことでした。
モーセは、
不平ばかり言っている民の代わりに自分が見捨てられるように
と神様に願い出たことがあります。
パウロもそれと同じことをここで願いますが、実現しませんでした。

神の御子イエス•キリストが十字架で流された血によって、
全世界のすべての人間(そこにはユダヤ人も全員含まれます)の
すべての罪を身代わりに引き受けて、
義なる神様の御前でその罪の罰をすべて受けてくださった、
という福音は、
神様の御国に属する民であるユダヤ人にとって受け入れがたいものでした。

この状況は今日に至るまで変わってはいません。
ユダヤ人伝道は許可されている範囲で行われてはいますが、
それでも一年の間にごく少数のユダヤ人が
キリストを信じるようになるのがやっとという状態です。
これほど徹底して福音を拒絶する態度は、他の民族では見られない現象です。