4章7〜19節 世の終わりは近い(その3)
一方で、私たちは
「ペテロの第一の手紙」の背景にある当時の現実から、
自分たちが想像しているほどかけ離れた環境に身を置いているわけでもない、
とも言えます。
すなわち、
当時のキリスト信仰者と私たち現代のキリスト信仰者との間には共通点もある、
ということです。
私たちは「神様の子ども」として長く生活を続ければ続けるほど、
それだけいっそうはっきりと、
この世は私たちにその真の姿を見せるようになります。
この世は罪と誘惑に満ちた世界であり、
そこに実在する悪は私たちの想像を超えるほど深く根を張っています。
キリスト信仰者として私たちはこの世の真の姿を垣間見ることができるのです。
私たちが神様の御言葉から霊的な栄養を受ければ受けるほど、
私たちが生活しているこの世は、
それだけいっそうよそよそしいものに感じられるようになります。
もしも家族や親戚がキリスト信仰者である場合には、
彼らのうちのより多数の者がこの世を去り栄光の世界へと移住していくにつれて、
天の父なる神様の家である「天の御国」は私たちにとって、
よりいっそう愛しい場所になっていきますし、
そこに住む白い衣を着た聖徒たちの顔が、
よりはっきりと見えるようになっていきます。
天の御国を「自分が受け継ぐもの」としていただいた者にとって、
この世は次第に価値を失っていきます。
もっとも、これは一朝一夕に実現することではなく、
日々の信仰の学びと戦いを通して少しずつ身につけていくべきことがらです。