2019年3月20日水曜日

「ペテロの第一の手紙」ガイドブック 4章1〜6節 終末は近い(その4)

「ペテロの第一の手紙」第4章 

4章1〜6節 終末は近い(その4)

ペテロの手紙が読者に提示するメッセージは、
人によっては慰めにもなるだろうし、
あるいは中傷と受け取られてもしかたがないものでもあるでしょう。

というのは
「キリストを信じるようになる前の手紙の受け取り手たちは
神様をないがしろにするよくない生き方をしていた」
とペテロは臆することなく言い切っているからです。
異邦人としての生活習慣について、ペテロはいささかも褒めようとはしません。
それどころか、それを容赦なく断罪しています。
このような態度は当時も今もこの手紙の読者の感情を害するものかもしれません。

しかしその一方で、
キリスト信仰者になった今ではもう思い出したくもないような
過去を持つ人々にとっては、
このペテロのメッセージは慰めを与えるものではないでしょうか。

この点に関しては
「教会誕生初期のキリスト信仰者のほうが
現代のキリスト信仰者よりも良好な状態にいた」
とは到底言えません。
むしろ「昔の方が今よりもはるかに悪い状態であった」とさえ言えるでしょう。