感謝の祈り 4〜7節(その1)
「はじめの挨拶」の次には「感謝の祈り」が続きます。
フィレモンを通してなされたすべての善い行いについて、
パウロは神様に感謝を捧げています。
フィレモンの愛と信仰は模範的と言えるものでした。
しかし、このことについて真っ先に感謝を受けるべきなのは、
フィレモンではなく神様です。
なぜなら、神様こそが
フィレモンにイエス様への信仰を授けてくださったからです。
信仰に加えて、主なる神様はフィレモンに愛をも与えてくださいました。
「フィレモン、あなたはイエス様を愛しています」、とパウロは断言します。
それがわかるのは、イエス様への愛が
フィレモンの生き方に正しいありかたで反映されているからです。
すなわち、フィレモンは
ほかのキリスト信仰者たちに対してキリスト信仰者としての愛を示したのです。
パウロとフィレモンの間には一致した信仰があり、
彼らの信仰告白は同一のものです。
「どうか、あなたの信仰の交わりが強められて、
わたしたちの間でキリストのためになされているすべての良いことが、
知られて来るようになってほしい。」
(「フィレモンへの手紙」6節、口語訳)
この6節の終わりの部分はそれほどわかりやすいものではありません。
イエス様が私たち人間のために行ってくださった御業の意味を
フィレモンがよりいっそう深く理解していくように、
とパウロはここで祈っているのではないでしょうか。
イエス様がどれほど深くフィレモンのことを愛してくださっているのか、
よりいっそうわかるようになればなるほど、
フィレモンは隣り人たちのことをも
より深く愛することができるようになるはずです。