フォイベと、パウロの女性嫌悪について 16章1〜2節(その2)
前回述べた理由から、
パウロには女性に対する憎悪がある、
という見方もなされてきました。
未婚者パウロが人間の現実の生活のことがわかるわけがない、
と考える人もいました。
「パウロが実際に会った女性たちは、
彼が「未婚者としての教義」を形成し、
しかもそれを「主の命令」(「コリントの信徒への第一の手紙」14章37節)
として恥ずかしげもなく披露するのに一役買うタイプの女性ばかりだった。
パウロ、あなたは可哀想な男ね」、
などと、あるフィンランドの女性記者はうそぶきました。
ここでまずもって覚えておくべきことがあります。
それは、
私たちのキリスト教の信仰によれば、
主の使徒は自分が勝手に考えた意見を述べているのではなくて、
聖霊様に導かれて御言葉を語っている、
ということです。
また、パウロに「女性嫌い」というレッテルを貼るのも間違っています。
まさにこの16章で、
彼はキリストにある多くの信仰の姉妹たちに温かい挨拶を送っているからです。
彼らの中には「使徒言行録」18章にも記載のあるプリスカや、
キリスト信仰者たちのために多くの労苦をいとわなかったマリアがいます。
また、トゥルパイナとトゥルフォーサ、
また「主にあってたくさん労苦した、愛する姉妹」ペルシスがいます。
ルフォスの母親はパウロにとっても母親のような人でした。
ローマの教会の女性たちに対するパウロの挨拶の仕方には、
温かな愛と信仰者としての一致とが反映されています。