この世を支配する公的権力の意味 13章1〜7節(その1)
前回とりあげた12章の終わりで、パウロは
キリスト信仰者が他の人々の間でどのように生活するべきか
について語りました。
彼は愛の意味を強調し、個人的に復讐しないように要請しました。
今パウロは13章のはじめで
隣人愛の具体的な応用例を扱っています。
すなわち、
キリスト信仰者がこの世を支配する公的権力に対してとるべき態度についてです。
この箇所でパウロの伝える御言葉は妥協の余地がない明確なものです。
これらの指示はその後二千年にわたって
時の権力者に対するキリスト信仰者のとるべき基本的な態度を定めてきた
とも言えます。
指示の内容は以下の通りです。
世を支配する公的権力は「神様の僕」であり、
神様御自身が定められたものです。
公的権力と良好な関係を保ちたい人は皆、正しく善いことを行いなさい。
悪を行う者は恐れなさい。
なぜなら、神様はこの僕に剣の所持を、
すなわち法律を破る者を処罰する権利を授けておられるからです。
それによって、
善そのものなる神様のお定めになった秩序が
この世でも力強く維持されて行きます。
キリスト信仰者はこの世を支配する公的権力を
「神様の御手」と見なすべきです。
この御手の支配下にある者として忠実に行動しましょう。
しかし、私たちがそうするのは
それが主の御旨だからであって、
そうしなければ犯罪者として扱われるからだけではありません。