2015年3月25日水曜日

「ローマの信徒への手紙」ガイドブック 7章14〜25節 この罪深き、聖なる者!(その4)



この罪深き、聖なる者! 71425節(その4)

ある種の特定の罪は重大な罪であるとみなされます。
たとえば、
神様を無視して生きていた時に浮気をしたことがあるとか、
飲酒の虜になったとか、何かを盗んだとか、
といったことです。
神様は、これらの罪から人間を解放して御自分の民に加えてくださいました。
しかし、ここで言っておくべき大切なことがあります。
それは、
上記のような罪の行いをやめても、
もしそれだけだとしたら、
たんに皿の外側をきれいに磨くことと変わらない、
ということです。
皿の内側がそれを覗き込む誰もが気分を害するほど汚れたままなら、
はたしてその人の状態は本当に改善したと言えるのでしょうか。
実は、神様の御前で私たちはまさにそのような存在なのです。
人間の心は腐敗の源です。
その中から絶えず新たな腐敗が湧き出てきます。
たとえ目立つ最悪の罪の行いが除去されたとしても、
悪の源泉自体は依然として温存されたままなのです。

具体例で説明しましょう。
暴力行為をやめるかわりに意地悪な態度を取るようになったり、
盗みをはたらくかわりにある程度の物欲と物事への執着が生まれたり、
実際に浮気するかわりに心の中で密かに行ったり、
悪い行いをするかわりに悪い言葉を吐いたり、
悪い言葉のかわりに悪い考えが浮かんでくる、
といった具合です。