2012年1月18日水曜日

「ヨハネの黙示録」ガイドブック 6章7~8節 第四の封印

  
第四の封印 678
  
 
第四の封印が解かれたとき、黄緑色の馬が出てきました。
その馬に乗っている者の名は「死」であり、
それに「ハデス」(黄泉)が従っています。
これらはその名が示す通りのことを派手に実行します。
すなわち、病気や戦争や飢饉やその他の破滅をもたらすのです。
地の四分の一が破壊される、
というのは私たちには不思議に思われるかもしれません。
しかし、中世のヨーロッパで猛威を振るったペストや、
地の四分の一より多くのものの破壊を可能にした人間の発明(核兵器)
といった例もあります。
ですから、この幻の数字はたんに象徴的なものであるとはかぎりません。
  
すでにこれらの幻は、
「なぜ神様はこれほどおびただしい悪が生じるのを放置なさっているのか」、
というやっかいな問題を私たちに突きつけます。
神様は厳しく残酷な方なのでしょうか。
もしも神様が全能ならば、
なぜ封印の幻が描いているような悪の実現を阻止なさらないのでしょうか。
しかし、このことについて神様を糾弾するのは、見当違いです。
戦争があるのは神様のせいではありません。
飢饉についても人間以外のものに責任を押し付けるのは無理があります。
あらゆる悪の背後にある真犯人は私たち人間であり、
私たち皆の中に居座っている罪なのです。
私たちは怒りを溜めたあげく争いはじめます。
私たちの自己中心さのせいで、
他の貧しい人々が十分な栄養すら得られない状態になっています。
もしも神様が世界から悪を取り除こうとされるならば、
まずはじめにこの世界から
悪を行う私たち人間を取り除かなければならなくなります。
いつか神様の裁きが下され、その時に悪は止みます。
しかし、その時はまだ来ていません。
そして、それは私たちに対する神様の大いなる恵みなのです。
手遅れになる前に多くの人が救いを見出すこと、
また、最後の裁きの時にできるかぎり多くの人に
(罪赦されて天国へ入れるという)よい裁決が下されることを、
神様は待ち望んでおられます。
神様はこの世界のために御自分の計画を用意されており、
それは多くの悲惨な出来事も含む多様な段階を経て実現されていくものだ、
ということも覚えておくべきでしょう。
神様の御計画には、よい目的があるのです。
おそらく悪い出来事さえも、神様のよき御計画の役に立っているのでしょう。
わざわいを通して、神様は人々を御許に引き寄せられます。
神様は、
不幸な日々が私たちを御許に導くきっかけとなるように、
待っておられます。
この通りになった(不幸を通して神様に導かれた)
という例が実際にたくさんあります。
一般的に、優しい態度よりも厳しい叱咤によって、
人は神様へと引き寄せられていくものです。
出来事の意味を完全には理解できないことを認めざるをえない場合があります。
神様は私たち人間よりもはるかに賢く、
御自分のなさることを熟知しておられます。
また、神様は
この世に悪が厳然として存在し続けていることを許容なさっています。
これは、私たち人間には理解しがたいことです。
しかし、もちろん神様は悪の存在理由をご存知です。
このことに関しても、
実は神様は賢く正しく事を運ばれたのだ、
と私たちはいつか必ず天国で理解するようになるでしょう。