2023年5月12日金曜日

「ハバクク書」ガイドブック 「ハバクク書」2章5〜20節 バビロニアを嘲る歌(その3)

バビロニアを嘲る歌 「ハバクク書」2章5〜20節(その3) 

いずれバビロニアが滅亡するという預言の中には

世界宣教の予言も含まれています(2章14節)。


バビロニアの滅亡は神様が圧倒的な力をお持ちであることを

象徴する出来事でもありました。

これはイスラエルの民がモーセに率いられて

エジプトの地を脱出した時の出来事を思い起こさせます。

 

「民の逃げ去ったことが、エジプトの王に伝えられたので、

パロとその家来たちとは、民に対する考えを変えて言った、

「われわれはなぜこのようにイスラエルを去らせて、

われわれに仕えさせないようにしたのであろう」。

それでパロは戦車を整え、みずからその民を率い、

また、えり抜きの戦車六百と、

エジプトのすべての戦車およびすべての指揮者たちを率いた。

主がエジプトの王パロの心をかたくなにされたので、

彼はイスラエルの人々のあとを追った。

イスラエルの人々は意気揚々と出たのである。

エジプトびとは彼らのあとを追い、

パロのすべての馬と戦車およびその騎兵と軍勢とは、

バアルゼポンの前にあるピハヒロテのあたりで、

海のかたわらに宿営している彼らに追いついた。

パロが近寄った時、イスラエルの人々は目を上げて

エジプトびとが彼らのあとに進んできているのを見て、非常に恐れた。

そしてイスラエルの人々は主にむかって叫び、かつモーセに言った、

「エジプトに墓がないので、荒野で死なせるために、

わたしたちを携え出したのですか。

なぜわたしたちをエジプトから導き出して、こんなにするのですか。

わたしたちがエジプトであなたに告げて、

『わたしたちを捨てておいて、エジプトびとに仕えさせてください』

と言ったのは、このことではありませんか。

荒野で死ぬよりもエジプトびとに仕える方が、わたしたちにはよかったのです」。

モーセは民に言った、

「あなたがたは恐れてはならない。

かたく立って、主がきょう、あなたがたのためになされる救を見なさい。

きょう、あなたがたはエジプトびとを見るが、

もはや永久に、二度と彼らを見ないであろう。

主があなたがたのために戦われるから、あなたがたは黙していなさい」。

主はモーセに言われた、

「あなたは、なぜわたしにむかって叫ぶのか。

イスラエルの人々に語って彼らを進み行かせなさい。

あなたはつえを上げ、手を海の上にさし伸べてそれを分け、

イスラエルの人々に海の中のかわいた地を行かせなさい。

わたしがエジプトびとの心をかたくなにするから、

彼らはそのあとを追ってはいるであろう。

こうしてわたしは

パロとそのすべての軍勢および戦車と騎兵とを打ち破っ誉を得よう。

わたしがパロとその戦車とその騎兵とを打ち破って誉を得るとき、

エジプトびとはわたしが主であることを知るであろう」。

(「出エジプト記」14章5〜18節、口語訳)

 

しかしこれがより深いかたちで実現するのは

世界宣教が成し遂げられてキリストがこの世に再臨なさり

サタン(悪魔)の横暴が最終的な裁きを受けることになる

未来の出来事においてです。

このことについては

「ヨハネの黙示録」17章1節〜19章4節に記されています。

 

「ハバクク書」2章14節には

水が海をすっかり覆うという比喩がでてきます。

次の「イザヤ書」の箇所にも同様の表現がみられます。

 

「彼らはわが聖なる山のどこにおいても、

そこなうことなく、やぶることがない。

水が海をおおっているように、

主を知る知識が地に満ちるからである。」

(「イザヤ書」11章9節、口語訳)

 

これは主なる神様の世界中の隅々にまで及ぶ

圧倒的に強大な力をあらわしています。

全地に満ちる主の栄光については

「民数記」14章21節や「イザヤ書」6章3節にも記されています。