2020年11月5日木曜日

「ルツ記」ガイドブック 生まれ出ずる希望 「ルツ記」2章17〜23節(その2)

生まれ出ずる希望 「ルツ記」2章17〜23節(その2)

 

ボアズは「縁者」の使命を忠実に果たした模範的人物として

旧約聖書にその名が記されています。

 

聖書はキリストこそが私たちにとっての真の「縁者」であると教えています。

キリストは私たちの罪の負債をすべて肩代わりして返済してくださったからです。

 

「神は、わたしたちをやみの力から救い出して、

その愛する御子の支配下に移して下さった。

わたしたちは、この御子によってあがない、

すなわち、罪のゆるしを受けているのである。」

(「コロサイの信徒への手紙」1章13〜14節、口語訳)

 

上記の箇所で「あがない」という言葉は

ギリシア語で「アポリュトローシス」と言います。

新約聖書ではこの言葉には

「身代金を払って奴隷状態から釈放されること」とか

「キリストの死の代価によって罪が帳消しにされること」

といった意味があります。

 

「あなたがたは、先には罪の中にあり、

かつ肉の割礼がないままで死んでいた者であるが、

神は、あなたがたをキリストと共に生かし、

わたしたちのいっさいの罪をゆるして下さった。

神は、わたしたちを責めて不利におとしいれる証書を、

その規定もろともぬり消し、これを取り除いて、

十字架につけてしまわれた。

そして、もろもろの支配と権威との武装を解除し、キリストにあって凱旋し、

彼らをその行列に加えて、さらしものとされたのである。」

(「コロサイの信徒への手紙」2章13〜15節、口語訳)

 

イスラエルでは穀物の収穫に約6週間かかりました。

 

「それで彼女はボアズのところで働く女たちのそばについていて穂を拾い、

大麦刈と小麦刈の終るまでそうした。

こうして彼女はしゅうとめと一緒に暮した。」

(「ルツ記」2章23節、口語訳)

 

この節からは、

穀物の収穫の時期を通じて姑のナオミの世話をしたルツが

主を信仰する者として立派な生き方をしていたことや、

それが周りの人々にもよく知られていたさまが伝わってきます。

模範的な生活を送っていたルツに悪い評判が立たないように

ボアズが細かく配慮することからもそれがわかります(「ルツ記」3章14節)。